社内ローカライズの秘訣「jack of all trades」とは?多国籍チームの日英ブリッジ、アレクシさんに聞きました
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社内ローカライズの秘訣「jack of all trades」とは?多国籍チームの日英ブリッジ、アレクシさんに聞きました

WOVN は25カ国から集まった多国籍なチーム。
社内にて情報の受け渡し役「日英ブリッジ」として活躍するアレクシさんに「社内ローカライズ業務」で大切にしていることについて聞きました。

Aleksey Vasil Bolyshkanov (ボリシカノブ アレクシ バシル)
Solutions Division/Service Department/CS - Localization Section
2020年4月入社

翻訳・通訳。社内ローカライズの仕事とは?

ー アレクシさん、今日は宜しくお願いします!早速ですが「社内ローカライズの仕事」って何がありますか?


アレクシ:
大きく分けると、ドキュメントの翻訳と通訳の2つですね。
翻訳には、社内報、社長ブログ、Company meeting 投影資料、お客さん向けのメールや商談資料、サポートページなどがあります。
こちらは実際私が手を動かして翻訳する場合もありますし、最近は翻訳されたものをチェックする業務が多いです。

そして通訳に関しては、Company meeting、社内交流を目的としたイベント、日本人が多いビジネスサイドと外国人が多いプロダクトサイド双方が参加するスプリントレビューのような定例ミーティングなどがあります。
時々、営業や CS(カスタマーサクセス)に同行して、お客さんに英語で機能説明を行う場合もあります。


ー 月2回ある Company meeting は全社方針の話なので重責ですね。


アレクシ:
Company meeting では、アジェンダを決める段階からオペレーションチームとして参加しているので、当日の通訳はスムーズですよ。
メインスピーカーである社長・林さんの考えを直接インストールできる機会がありますし、投影資料も事前に自分で翻訳しますので。当日突如ディスカッションが始まる時は臨機応変に対応しています(笑)

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社内ローカライズで必要なのは「 jack of all trades」

ー 相当な場数を踏まれていますが、社内ローカライズのコツってありますか?


アレクシ:
まず社内にしろ社外にしろ、ローカライズする際に一番注力するのは事前準備です。
社外はどの分野の翻訳がくるかわからないので、リサーチが欠かせません。
今まで自分が全く知らなかった分野もあるので、知識が広がる楽しさはありますね。

WOVN 社内に関してはビジネス系とテック系の専門用語がバンバン出るわけです(笑)
知識を深くインストールしておく必要があって、例えばコーディングできるまではいかないですが、プロダクトが動いているイメージが掴めるように、技術書(Equalizer、Maestro など)も読み込んでいます。

略語も意味を知らないと訳せないので、MRR、CMRR、BDR、SQL など SaaS ならではのビジネス用語も勉強しています。


ー それって部署を跨いでかなり広範囲の知識をカバーされてるってことですよね?すごい!


アレクシ:
そうですね。全ての分野をプロレベルにまでする必要はないですが、広くそれなりの知識を身につけるため日々勉強しています。 jack of all trades 、表面的に色々できる人って感じですね。


ー 言語を変換するスペシャリストは、幅広い知識を身につける jack of all trades でもあるのですね。他に社内外で違いはありますか?


アレクシ:
社内外では、緊張の度合いも違います。
両方とも完璧を目指すのですが、社内の翻訳の方が緊張しますね。

もちろん商談に関わる資料に誤訳があってはいけません。商談結果を左右する可能性もありますし、WOVN の訳質が悪い印象を与えかねないので気は抜けません。
ですが社内案件はもっとプレッシャーがあります。全メンバーが見ることになるので、もし間違えたら容赦無く指摘が入りますから(笑)

しかし、通訳の場合は反対です。
社内通訳では聞き逃した時など気軽にリピートのリクエストができます。この点は気が楽ですね。対して商談の通訳のプレッシャーは、時にご飯を食べられなくなる時もあるほどです。
資料の翻訳は時間をかけて納得するまで取り組めますが、通訳は一発勝負。その場で対応しなければいけないですから。


ー 社内翻訳では会社をリードする CEO の言葉をアレクシさんが英語で代わりに伝えるわけですもんね。時間をかけて満足できる精度の高いものを目指すのですね。

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言葉の裏にある本人の意図を明らかにする

ー 訳すのに苦労した WOVN 社内用語ってなんですか?

アレクシ:
「挑戦」という言葉もいつも頭を使います。
「これは新しい挑戦です。」→「This is a new challenge.」になります。
「新しいことに挑戦したい。」→「I want to challenge new things.」これは NG です。
これは逆に「challenge」を使わずに、言い方を変えて「I want to try new things.」などにします。なので、「challenge」の訳は一筋縄ではいきません。

さらに「挑戦を重ねて今の WOVN がある」のような抽象的な文章の場合、クリエイティブに英訳を作らないといけないですね。翻訳というかコピーライティングです。
「try」だと気持ち的に低すぎる。「やってみる」みたいなニュアンスになってしまうので使わないです。

この文章で本人は具体的に何が言いたいのか、WOVN が大切にしている考え方は何か、自分が完全に理解してから翻訳しないと、会社全体に広げることはできません。

「WOVN らしさ」は悩みました。結果「WOVN ness」になったのですが、概念を正確に且つかっこよく、語呂良く翻訳するには時間がかかりました。

このようなケースでは私が一時翻訳をして、LO(Localize)チーム内でアイディアをディスカッションします。みんなのアイディアを聞くことで、さらにその言葉の解像度を高めることができます。ボードメンバーの寺西さんがブランディング視点で英訳のフィードバックをくれることも大きいですね。

「WOVN 導入」これもまた悩みました。英語では「導入」にあたる言葉が3つもあります。
1つ目は「introduction」。お客さんに紹介するわけではないため、この単語はニュアンスが違うので使いません。
2つ目は「installation」。プログラムをインストールするような意味ですが、WOVN 導入は単純なインストールでは無いのであまり使わないようにしています。
3つ目が「integration」。WOVN をプロセスの中に入れ込む、1つにするというような意味を持つので、この「integration」を使います。

余談ですが、資料でも話の中でも、日本語内に中途半端に英単語が入っていることがあります。それは本来の英語の意味・ニュアンスで利用されていないシーンもあり、訳すのに困ることがありますね(笑)

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ー 伝える側も、伝えたいことを自分が理解している言葉で表現することが大切ですね。何と訳すか困った時はどうするんですか?


アレクシ:
通訳の時はその場を凌ぐしかないですが、翻訳はとにかく事例をネットリサーチするか、書いた本人に直接意図を確認しますね。

通訳する際は事前打合せが必ずあるので、当日の流れや想定質問の回答などもシュミレーションして本番に備えます。


ローカライズのプロセスを把握することが重要

ー 多国籍メンバーが集う WOVN ですが、日英ブリッジとして感じることはありますか?

アレクシ:
WOVN の Slack ではどんな情報も日英で発信されているので、とても嬉しく思います。それに大事なミーティングは私がついていますので言語の壁は問題ありませんのでご安心を!

また、WOVN では様々なファイルを翻訳してくれるドライブを開発中で、社内では既にテスト的に利用しています。この開発チームにお礼を言いたいですね。このようなサービスは大変助かります。

1つ言えることは、ローカライズに関してそれぞれ期待値に差がありますので、みなさんに翻訳・通訳のプロセスを知ってもらうことは大切ですね。日英できるからと言って、翻訳や通訳は実は簡単で単純なものではなく、時間も労力もかかります。
ローカライズについて理解してもらうために、勉強会などの社内活動も大切だな、と思います。


ー 最後にメンバーへメッセージをお願いします!


アレクシ:
翻訳と通訳は大変な面もありますが、私はとても楽しんで仕事をしています。翻訳・通訳してくれ!というご依頼は喜んでお力になれればと思います。ついでに英語・ロシア語を教えることもできますので是非!


Thank you💚
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